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直観の力

2011年05月12日

大体半世紀生きてきて、自分の人生を振り返ってもいい年齢になったと思うのですが、ここ十年の一番の変化は「頭で考えること」が問題だということを自覚し始めたことだと思います。

なんであんなに考えることがあったのかというほど、頭の中が考えでいっぱいになった青春時代を送りました。出産子育ての間も、考える人であり続けていたのですが、ある時から、考えないことの大切さに目覚めました。

それまでは、「考えない人」は馬鹿だと思っていて、そんな風になりたくないと思っていたのですから不思議です。

知識を持つこと、論理的に考えること、それがすべてに勝ると思っていた時には、本を読んだり知識を吸収したり、必死でした。だって、考えるためには素材が必要…世の中の真理を知らなければならない…
けど、ある時ふと、そんなことできるわけないと気が付いたのでした。 

そのことが、教育とは何かと考えるときに、大きな鍵になります。

知識や論理的思考に勝るとも劣らぬ大切なこと、それは、自分がもともと持っている力に気が付くことなんですね。

朝日新聞に『夜と霧』で有名なフランクルのことばを巡っての記事が連載されていました。
ナチスの強制収容所に連行され生き残ったフランクルの言葉で「それでも私は人生にイエスという」(うろおぼえですが)というのがありました。

なぜ私がこんなに大変な目に合わなければならないのかと思うと、人は、自分の人生の意味を問いはじめ、意味がないなら、生きていたくないという結論に導かれていきます。
でも、そうではない。人生があなたに問うているのだ、というようなことでした。

うまく表現できませんが、今どう生きるかがそのまま答えになるということ。
自分を問うのではなく、とにかく、目の前のことを大事にすること。一歩一歩歩いていくこと。

教育というのは、その人がどう生きたらいいかに迷った時、道しるべとなるものを手渡すことなのだろうと思っています。

だから、どんなにおもしろくても、教師が知識を伝えていくだけの授業をするのはまずいだろうと思うのです。
世の中には教育とは知識の伝達だと思っている人は多いかもしれないですが…

だからと言って、礼儀作法、倫理観などを伝えるのが教育でもない…

こんなことを書き始めたのは、このところ「直感が大事」と言い続けていたからです。
で、ふと気が付いたのですが、そういうと、私には直観がないという人や、私は直観が優れているという人がいるのですね~でも、どうも違うようです。

気が付いたのは
直観が大事なのでなく、何か、うまく説明できないけど、こっち、と思ったとき、それでいいと自分を信じる力こそが大事なのだと。

結果的に直観に裏打ちされているからこれでいいと自己肯定を続けていると、次の道が開けてくるんだろうなと思います。
だから、
「直感が間違っていた」ということはあり得ません。

間違っているのは直観を信じきれなかったことなのです。ふむ。

頭で考えないことの大切さを書きながら、思い切り考えてしまいました。



Posted by テレーズ at 16:09│Comments(0)
 
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